Lenovo ThinkCentre M90q Gen 6 2024
Intel Core Ultra 9 285プロセッサーと32GB DDR5メモリを1.34kgの筐体に収め、vProによる管理機能も備える点が際立ちます。1TBのOpal暗号化NVMe SSDとWi-Fi 6Eにより、セキュリティと高速ネットワーク接続を両立しています。省スペースでありながら高い処理能力が求められる、金融やヘルスケア分野のデータ分析業務に最適です。
概要
30秒まとめ
Lenovo ThinkCentre M90q Gen 6は、超小型ボディにトップクラスの24コアCPUを搭載した、筋金入りのビジネス向けミニPC。GPU性能はバッサリ割り切っているが、純粋な処理能力と省スペース性は唯一無二。価格は$2001からと安くないが、vPro管理が必要な企業や、デスクを広く使いたいプロには最適な選択肢。3D作業やゲームをする人は、即座に他のマシンを探すべし。
メリットとデメリット
長所
- 驚異的なCPUパワー。24コアのCore Ultra 9は94パーセンタイルのトップクラス性能。 93rd
- 1.34kgの超コンパクト設計で、デスクやVESAマウント裏に完全に隠せる。 82nd
- 32GBの大容量DDR5メモリを搭載し、重いマルチタスクも余裕でこなす。 73rd
- vPro Enterprise対応で、企業の大規模なIT管理にシームレスに統合可能。 73rd
- DisplayPort、HDMI 2.1、USB-C、6x USB-Aと、小型ながらポートが非常に充実。
短所
- ゲーミング性能はスコア15.8と絶望的。GPU負荷の高い作業には全く不向き。
- 内部拡張性はほぼゼロ。後からグラフィックボードを追加することは不可能。
- 135Wの外部電源アダプタが必要で、ケーブル周りが少し煩雑になる。
- 負荷時には小さなファンが高回転になり、静かなオフィスでは気になる可能性がある。
- 価格帯が$2001からと、同性能のノートPCや大型デスクトップと比べて割高に感じる。
実証データ
パフォーマンス
CPUのベンチマークを見ると、この小さな箱がとんでもないパンチを隠し持っているのがわかる。Core Ultra 9 285は、私たちのデータベースで94パーセンタイルという、まさにトップクラスのスコアを叩き出した。これは、より大型で高価なデスクトップワークステーションと互角に渡り合える数字だ。実際の作業で言えば、4K動画のエンコードや大規模なデータ分析でも、処理待ちのストレスを感じることはほぼないだろう。32GBのDDR5-5600メモリも、数十のブラウザタブと重いIDEを同時に開いても余裕の容量で、メモリ不足に陥る心配は当面ない。
一方で、統合グラフィックスは正直なところ「映ればいい」というレベルだ。GPUスコアは46パーセンタイルと、平均をやや下回る。4Kディスプレイでのデスクトップ操作や動画再生は問題なくこなせるが、GPUを使ったレンダリングや機械学習のトレーニングには全く向いていない。ストレージの1TB NVMe SSDは73パーセンタイルと堅実なパフォーマンスで、OSの起動やアプリのロードは高速だ。ただし、Opal 2.0による暗号化に対応している点は、データセキュリティを重視するビジネスユースでは大きな安心材料になる。
スペック
全スペック一覧
Processor
| CPU | Intel Core Ultra 9 285 |
| Cores | 24 |
| Frequency | 2.5 GHz |
| L3 Cache | 36 MB |
Graphics
| GPU | Intel Graphics |
| Type | Integrated |
Memory & Storage
| RAM | 32 GB |
| RAM Generation | DDR5 |
| Storage | 1 TB |
| Storage Type | NVMe SSD |
Build
| Form Factor | mini |
| PSU | 135 |
| Weight | 1.3 kg / 3.0 lbs |
Connectivity
| USB-C Ports | 1 |
| USB Ports | 6 |
| HDMI | 2x HDMI 2.1 |
| DisplayPort | 1x DisplayPort |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6E |
| Bluetooth | Bluetooth 5.3 |
| Ethernet | Gigabit Ethernet |
System
| OS | Windows 11 Pro |
競合製品との比較
競合を見渡すと、このマシンの立ち位置がより鮮明になる。例えば、HP Omen 45LやASUS Republic of Gamers GM700TZのようなゲーミングデスクトップと比べるのはナンセンスだ。あちらは巨大な筐体に強力なディスクリートGPUを搭載し、3D性能ではM90qを圧倒するが、その代わりにデスクの大部分を占領する。M90qは、そうしたマシンとは全く異なる種族で、比較対象はむしろApple Mac Studio M4 Maxのようなコンパクトなプロ向けマシンだろう。Mac StudioはGPU性能と電力効率で大きくリードするが、Windows環境やvPro管理が必要な企業ITには適合しない。
もう一つの比較対象は、MSI EdgeXpertのようなエッジコンピューティング向けの小型PCだ。これらはM90qと同様に省スペースだが、往々にしてCPU性能が劣るか、拡張ポートが少ない。CLX SETのようなカスタムPCビルダーの製品と比べると、Lenovoの強みは企業向けのサポート体制と信頼性(70パーセンタイル)にある。自作系にはない、導入後の安心感を買う製品と言える。結局のところ、Windowsとx86アーキテクチャ、そして企業レベルの管理機能をこのサイズで求めるなら、M90qはほぼ唯一無二の選択肢に近い。
| Spec | Lenovo ThinkCentre M90q Gen 6 | HP OMEN GT22-3080 | ASUS Republic of Gamers GM700TZ-BS978 | MSI MEG Vision X AI VisXAI2NVZ9045 | Dell Tower ECT1250 | CLX SET TGMSETRTU5204BM |
|---|---|---|---|---|---|---|
| CPU | Intel Core Ultra 9 285 | Intel Core Ultra 7 265K | AMD Ryzen 9 9950X | Intel Core Ultra 9 | Intel Core Ultra 7 265 | Intel Core i9 14900KF |
| RAM (GB) | 32 | 32 | 64 | 64 | 32 | 64 |
| Storage (GB) | 1024 | 2048 | 2048 | 2048 | 2000 | 8000 |
| GPU | Intel Graphics | NVIDIA GeForce RTX 5080 | AMD Radeon RX 9070 XT | NVIDIA GeForce RTX 5090 | Intel UHD Graphics | NVIDIA GeForce RTX 5070 |
| Form Factor | mini | mid-tower | desktop | mid-tower | mid-tower | mid-tower |
| Psu W | 135 | 850 | 850 | 1300 | 180 | 850 |
| OS | Windows 11 Pro | Windows 11 Pro | Windows 11 Home | Windows 11 Pro | Windows 11 Home | Windows 11 Home |
| Compare | Compare | Compare | Compare | Compare |
| 製品 | CPU | GPU | RAM | ポート | ストレージ | 信頼性 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Lenovo ThinkCentre M90q Gen 6 | 93.4 | 47 | 82.4 | 73.1 | 72.8 | 70.5 |
| HP OMEN GT22-3080 Compare | 96 | 88.9 | 78.7 | 93.2 | 91.6 | 70.5 |
| ASUS Republic of Gamers GM700TZ-BS978 Compare | 98.8 | 79.4 | 93.9 | 97.2 | 91.6 | 37.8 |
| MSI MEG Vision X AI VisXAI2NVZ9045 Compare | 97.5 | 90.7 | 97.4 | 98.2 | 91.6 | 37.8 |
| Dell Tower ECT1250 Compare | 89.5 | 30.9 | 82.4 | 86.3 | 82.7 | 70.5 |
| CLX SET TGMSETRTU5204BM Compare | 94.2 | 82.4 | 96.4 | 86.3 | 99.2 | 11.6 |
価格
コストパフォーマンス
このM90q Gen 6の価格は、見るべきポイントが二つある。まず、性能に対する絶対的な価値だ。Core Ultra 9と32GBメモリ、1TB SSDという構成は、同等のノートPCやミニPCと比較しても高スペックだが、$2000台前半からのスタートは決して安くはない。特に、GPU性能を捨てていることを考えると、クリエイター向けのオールインワンとしてはコスパが良いとは言い切れない。これは「小型化」という明確なプレミアムに対してお金を払う製品だ。
もう一つは、ベンダー間の価格差だ。私たちの調査では、最安値と最高値で$867もの開きがある。これはかなり大きい。同じモデルを買うにしても、購入前に複数のストアを比較する手間を惜しむと、必要以上に高い買い物をしてしまう可能性が高い。このクラスのビジネス向けPCは法人契約で値引きが入ることも多いので、個人で買う場合は特に注意が必要だ。
Amazon 1件の価格 最安 $2,045
B&H Photo 1件の価格 最安 $2,074
Price History
詳細情報
概要
LenovoのThinkCentre M90q Gen 6は、「小さいことは良いことだ」を地で行くマシンだ。1.34kgの筐体に、ノートPC向けとは思えない24コアのIntel Core Ultra 9 285を詰め込み、32GBのDDR5メモリと1TBのNVMe SSDを搭載している。デスクの上で存在を主張しない、いわゆる「タイニー」デスクトップだが、その中身は真面目にパワフルだ。vPro Enterprise対応で、企業のIT管理者がリモート管理しやすいのもポイント。要するに、場所を取らずに高い処理能力を求めるプロフェッショナルのための箱だ。
この製品の面白さは、その振り切った設計思想にある。ゲーミング性能はスコア15.8と完全に度外視し、コンパクトさ(85.5)とホームオフィス性能(80.2)に全振りしている。統合グラフィックスに頼る時点で、3DレンダリングやAAAゲームをやる気はゼロ。その代わり、膨大なExcelシート、複数の仮想マシン、コードのコンパイルといった「頭脳労働」で本領を発揮する。筐体は小さいが、ポートは豊富で、DisplayPortやHDMI 2.1、USB-Cに加えて6つのUSB-Aを備え、マルチディスプレイ環境も余裕だ。
ただ、このマシンを選ぶということは、拡張性やGPUパワーを完全に捨てることでもある。後からグラフィックボードを追加するスロットはないし、電源も135Wと必要最低限。でも、それでいいんだ。これは「全部入り」を目指したマシンじゃない。デスクを広く使いたい、あるいはサーバールームの片隅でひっそりと働かせたい、そんな明確なビジョンを持った人のための、潔いツールだ。
よくある質問
Q: このPCでデュアルモニター、あるいはトリプルモニター環境は構築できますか?
はい、可能です。本体内蔵のグラフィックスは、HDMI 2.1ポート1つとDisplayPort出力2つを備えており、合計で3台までのディスプレイに同時出力できます。4K解像度でのマルチディスプレイ環境もサポートしているため、トレーディングやデータ分析など、広大なデスクトップ領域を必要とする作業に最適です。ただし、3D性能は高くないため、複数の4K画面で重いグラフィック作業をするのには向いていません。
Q: メモリやストレージを自分で後から増設することはできますか?
ストレージはM.2 NVMe SSDの交換・増設が可能な場合が多いですが、筐体が非常にコンパクトなため、内部アクセスには多少の慣れが必要です。メモリに関しては、モデルによってはマザーボードに直付けされている可能性があり、増設できないケースもあります。購入前に、必要な容量(このモデルは32GB)が将来にわたって十分かどうかを検討することを強くお勧めします。
Q: vPro Enterprise対応とありますが、普通のWindows 11 Proとは何が違うのですか?
vProは、Intelが提供するビジネス向けのリモート管理・セキュリティ技術プラットフォームです。OSが起動しない状態でも、IT管理者がネットワーク経由でPCの電源を入れたり、BIOS設定を変更したり、リモートデスクトップ接続でトラブルシューティングを行ったりできます。大企業で多数のPCを一元管理するには非常に強力な機能ですが、個人で1台だけ使う分には、通常のWindows 11 Proと体感上の違いはほとんどありません。
Q: このPCはファンレスですか?動作音はどの程度ですか?
いいえ、ファンレスではありません。このクラスのCPUを冷やすために、内部には冷却ファンが搭載されています。アイドル時や軽い作業ではほぼ無音ですが、全コアに高負荷がかかる処理を続けると、小さなファンが高速回転して「フォーン」という風切り音が聞こえるようになります。図書館のような静寂が求められる空間よりは、ある程度の環境音があるオフィスでの使用が適しています。
おすすめできない人
このマシンを買うべきでない人は、実に明確だ。まず、ゲーマーや3Dクリエイター。統合グラフィックスは最新のAAAタイトルはおろか、軽めの3Dゲームですら快適に動かせない。GPUスコアが示す通り、これは計算専用マシンであり、娯楽やクリエイティブ用途には全く向いていない。同じ予算があるなら、エントリークラスのGeForceやRadeonを搭載したゲーミングデスクトップを買ったほうが、はるかに幸せになれる。
次に、「とにかく安くてそこそこ動けばいい」という人にも不要だ。このPCの価値は、超小型筐体とvPro対応という特殊能力にこそある。拡張性を一切気にせず、コストパフォーマンスだけで選ぶなら、より安価なミニPCや、セール中のノートPCで十分だろう。M90q Gen 6は、その小さな体に払う「場所代」と「管理機能費」が価格に上乗せされている。その必要性を感じないなら、素直に他の選択肢を探すべきだ。
総評
このマシンは、使う人と場所を選ぶ。広いオフィスの一般的な事務作業用PCとして配布するには、明らかにオーバースペックで高価すぎる。しかし、限られたスペースで最大限のCPUパワーを必要とするエンジニア、データアナリスト、あるいはトレーディングフロアのディーラーにとっては、これ以上ない相棒になる。特に、vProによるリモート管理が必須の大企業では、IT部門からも現場からも喜ばれる存在だろう。デスクの裏にマウントして、存在を忘れさせるほどの静粛性と処理能力は、他ではなかなか得られない体験だ。
逆に、少しでも3Dグラフィックスを使う可能性があるなら、このマシンは選んではいけない。動画編集のプレビューがカクつく、CADがまともに動かない、といった不満が確実に出る。そういう用途なら、素直にエントリークラスのディスクリートGPUを積んだ、少し大きめのデスクトップか、高性能ノートPCを選ぶべきだ。M90q Gen 6は、自分の仕事が「計算」であって「描画」ではないと明確に言い切れる、硬派なプロフェッショナルのための専用機だ。