Leica Vario-Elmarit-SL 11189 70mm
f/2.8の明るさを全域で維持し、3枚の非球面レンズを含む19枚の光学設計により、色収差を抑えた高い解像力を実現します。金属製の鏡筒に防塵・防滴シーリングを施した堅牢な設計と、856gの軽量ボディが機動力を両立しています。最短撮影距離18cm、最大撮影倍率1:2.9の接写性能を備え、風景からクローズアップまで1本で対応したいLマウントユーザーに最適です。
概要
30秒まとめ
Leica Vario-Elmarit-SL 24-70mm f/2.8は、光学性能で99パーセンタイルを叩き出す、Lマウント最高峰の標準ズームだ。シグマ製の光学系をベースに、Leicaの品質基準と筐体で仕上げた一本で、価格は約$3,200とシグマの2倍以上。手ブレ補正は非搭載で、AFも平均的だが、その解像感とマクロ性能は圧倒的。予算度外視で最高の一本を求めるLeicaユーザーに最適だが、コスパを考えるならシグマで十分すぎる。
メリットとデメリット
長所
- 光学性能は99パーセンタイル。絞り開放から画面周辺まで驚異的なシャープネス。 99th
- マクロ性能が優秀で、最大撮影倍率1:2.9は標準ズームの枠を超えている。 87th
- 防塵防滴の金属筐体で、856gとf/2.8ズームとしては比較的軽量。 80th
- 11枚羽根の絞りによる自然でうるさくないボケ味。
- Leicaボディとの完璧な操作性と色味の統一感。
短所
- 手ブレ補正非搭載。ボディ内手ブレ補正がないと低速シャッター時に厳しい。
- AF速度は平均的で、激しい動体撮影には不向き。
- シグマ24-70mm F2.8 DG DN Artと光学系が酷似しており、価格差に悩む。
- 最短撮影距離が18cmと短いが、インナーフォーカスではなく鏡筒が伸びる。
- f/2.8の明るさは24パーセンタイルと、スペック上は平凡。
オーナーの声
ユーザーの声
購入者の評価が時間とともにどう変化したか
独自顧客が実際にレビューを書いた時期に基づいています。発売当初の高評価が続いたかどうかがわかります。
日付のある顧客レビュー 11 件を暦四半期ごとに集計しています。期間別の分析は英語です。
実証データ
パフォーマンス
光学性能は、我々のデータベースでも99パーセンタイルという、まさにトップクラスの成績だ。絞り開放f/2.8から画面の隅々まで驚異的なシャープネスを見せ、3枚の非球面レンズと9枚のEDレンズが色収差を徹底的に抑え込んでいる。実写でも、その「カリッと感」は一瞬で分かる。特に、細かいディテールが密集する風景や建築写真では、このレンズの真価が発揮される。ボケ味は11枚羽根の円形絞りによるもので、41パーセンタイルと平均的ではあるが、うるさくなく自然な後ボケだ。
マクロ性能は86パーセンタイルと、標準ズームとしてはかなり優秀だ。最短撮影距離18cm、最大撮影倍率1:2.9は、簡易マクロとして十分実用的なレベル。料理や花のクローズアップも、レンズを交換せずにこなせる。一方で、AF速度は55パーセンタイルと、可もなく不可もなく。SL2との組み合わせでは素早く正確だが、動きの速い被写体を追い続けるようなスポーツ撮影では、最新のリニアモーター搭載レンズに一歩譲る場面もある。手ブレ補正は非搭載で、この点は36パーセンタイルと明確な弱点だ。SL2やSL2-Sのボディ内手ブレ補正に頼ることになる。
スペック
全スペック一覧
Optics
| Type | Zoom |
| Focal Length Min | 24 |
| Focal Length Max | 70 |
| Elements | 19 |
| Groups | 15 |
| Aspherical Elements | 3 |
| ED Elements | 9 |
Aperture
| Max Aperture | f/22 |
| Min Aperture | f/2.8 |
| Constant | Yes |
| Diaphragm Blades | 11 |
Build
| Mount | L-Mount |
| Format | full-frame |
| Weather Sealed | Yes |
| Weight | 0.9 kg / 1.9 lbs |
| Filter Thread | 82 |
AF & Stabilization
| AF Type | Autofocus |
| Stabilization | No |
Focus
| Min Focus Distance | 180 |
| Max Magnification | 1:2.9 |
競合製品との比較
最大の比較対象は、やはりシグマの24-70mm F2.8 DG DN Artだ。光学設計を共有していると言われるほどで、写りはほぼ互角。シグマは約半額で手に入り、手ブレ補正こそ同じく非搭載だが、AF速度やビルドクオリティも非常に高い。予算を重視するなら、シグマを選ばない理由を探す方が難しい。一方、パナソニックのLUMIX S PRO 24-70mm F2.8は、Leicaよりもさらに高価で重いが、フォーカスクラッチ機構やより堅牢なビルドを持ち、動画撮影も強く意識した設計だ。
キヤノンのRF 28-70mm f/2.8 IS STMは、手ブレ補正を搭載し、より軽量で、価格もリーズナブルだ。しかし、これはキヤノン独自のマウントであり、Lマウントユーザーには関係ない。タムロンの17-70mm f/2.8 Di III-A VC RXDはAPS-C用で、焦点距離の守備範囲と手ブレ補正は魅力的だが、フルサイズのSLシステムで使うレンズではない。結局、Lマウントのフルサイズ標準ズームとして、Leicaのプレミアムを取るか、シグマのコスパを取るか、パナソニックの動画性能を取るか、という三つ巴の戦いになる。
| Spec | Leica Vario-Elmarit-SL 11189 70mm | Tamron Di III 17-70mm f/2.8 Di III-A VC RXD | Nikon NIKKOR Z 17-28mm f/2.8 | Sigma Contemporary 16-28mm f/2.8 DG DN | Panasonic Leica DG Vario-Elmarit H-ES12060 | Sony G SELP28135G.SYX |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Focal Length | 24-70mm | 17-70mm | 17-28mm | 16-28mm | 12-60mm | 28-135mm |
| Max Aperture | f/22 | f/2.8 | f/2.8 | f/2.8 | f/2.8 | f/4 |
| Mount | L-Mount | Fujifilm X | Nikon Z | Sony E | Micro Four Thirds | Sony E |
| Stabilization | false | true | false | false | true | true |
| Weather Sealed | true | true | true | true | true | true |
| Weight (g) | 856 | 544 | 450 | 450 | 320 | 420 |
| AF Type | Autofocus | RXD | Stepping Motor | Stepping AF Motor | linear motor | SSM |
| Lens Type | zoom | zoom | zoom | zoom | zoom | zoom |
| Compare | Compare | Compare | Compare | Compare |
| 製品 | AF | Bokeh | Build | Macro | Optical | Aperture | Versatility | ユーザー評価 | Stabilization |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Leica Vario-Elmarit-SL 11189 70mm | 53.7 | 34.5 | 50.2 | 86.9 | 99.3 | 21 | 80 | 50.1 | 37.8 |
| Tamron Di III 17-70mm f/2.8 Di III-A VC RXD Compare | 53.7 | 87.4 | 69.6 | 85.9 | 91 | 84.6 | 89.3 | 85 | 83.4 |
| Nikon NIKKOR Z 17-28mm f/2.8 Compare | 87.4 | 87.4 | 75.9 | 85.9 | 88 | 84.6 | 67.3 | 68.7 | 37.8 |
| Sigma Contemporary 16-28mm f/2.8 DG DN Compare | 87.4 | 87.4 | 75.9 | 77.8 | 97.2 | 84.6 | 68 | 62.6 | 37.8 |
| Panasonic Leica DG Vario-Elmarit H-ES12060 Compare | 98.1 | 87.4 | 84.6 | 51.9 | 91 | 84.6 | 93.1 | 67.7 | 83.4 |
| Sony G SELP28135G.SYX Compare | 94.4 | 78.5 | 77.7 | 34.1 | 88 | 67.2 | 92.4 | 55.5 | 93.4 |
価格
コストパフォーマンス
このレンズの価格は、販売店によって$3,205から$458,000と、とんでもない開きがある。これは明らかに異常値や誤掲載を含んでいるため、まともな市場価格は$3,200前後と見るべきだ。しかし、この$3,200という価格が、最大のライバルであるシグマの24-70mm F2.8 DG DN Artの約2倍以上であることは間違いない。光学性能の根幹が同じだとすれば、この価格差をどう捉えるかは難しい問題だ。
Leicaが上乗せしているのは、外装の質感、Leica独自のコーティング、そしてブランドが保証する厳格な品質管理と、SLボディとのソフトウェア的な一体感だ。単なる写り以上の「所有する喜び」や「信頼性」に価格に見合う価値を見出せるかどうか。実用品として割り切るならシグマで十分だが、Leicaのシステムを選んだ時点で、そういう合理的な判断だけでは済まないのが悩ましいところだ。
詳細情報
概要
LeicaのVario-Elmarit-SL 24-70mm f/2.8 ASPH.は、Lマウントユーザーにとっての「普段使いのエース」を狙った標準ズームだ。24mmの広角から70mmの中望遠までをカバーし、f/2.8の明るさを全領域で維持する。スペックだけ見れば、どこのメーカーにもある標準ズームの一本に思えるかもしれない。だが、このレンズの本質は、その描写力とLeicaブランドが約束する撮影体験にある。
このレンズが本当に面白いのは、その出自だ。Lマウントアライアンスのパートナーであるシグマの24-70mm F2.8 DG DN Artと光学設計を共有している、というのがもっぱらの噂だ。実際、レンズ構成図やMTF曲線を見比べると、瓜二つと言っていい。しかし、Leicaは筐体の素材やコーティング、製造基準に独自の要求を課している。つまり、シグマの優れた光学系をベースに、Leicaが「自分たちのレンズ」として仕上げた一本、という見方ができる。
では、誰のためのレンズなのか。SL2やSL2-S、あるいはパナソニックのSシリーズで、妥協のない画質と統一感のある操作性を求めるフォトグラファーだ。特に、Leicaの色味やボディとの一体感を重視するなら、サードパーティ製では埋まらない満足感がある。ただし、価格はシグマ版の約2倍以上。そのプレミアムに納得できるかどうかが、このレンズを選ぶ上での最大の分かれ目になる。
よくある質問
Q: このレンズはドイツ製ですか?
いいえ、現在入手可能な情報によると、このVario-Elmarit-SL 24-70mm f/2.8 ASPH.は日本で製造されています。Leicaのレンズにはドイツ製と日本製(主にパナソニックやシグマとの協業モデル)があり、製造国は製品の品質というよりは、設計と品質管理の基準がLeicaによるものかどうかが重要です。このレンズも、Leicaの厳格な基準を満たしていることに変わりはありません。
Q: シグマの24-70mm F2.8 DG DN Artと同じレンズですか?
光学設計の基本は共有していると見られていますが、全くの同一製品ではありません。Leicaは独自のレンズコーティング、外装の素材やデザイン、そして製造時の品質管理基準を適用しています。また、ボディ内手ブレ補正との連携など、SLシリーズのカメラとのソフトウェア的な最適化も行われている可能性が高いです。写りの根幹は非常に似ていますが、Leicaとしての「味付け」と「体験」に価格差があると考えてください。
Q: ズーム時にレンズの全長は伸びますか?
はい、伸びます。このレンズはインナーズームではなく、24-90mm SLと同様にズームリングを回すと鏡筒が繰り出します。ただし、24-90mmと比較すると、その繰り出し量は少なく抑えられており、70mm時でもバランスを大きく崩すような極端な長さにはなりません。
Q: 手ブレ補正がなくても大丈夫ですか?
SL2やSL2-S、パナソニックのSシリーズなど、多くのLマウントボディは強力なボディ内手ブレ補正(IBIS)を搭載しているため、静止画撮影では大きな問題にならないことがほとんどです。ただし、IBIS非搭載のボディや、動画でより滑らかな映像を求める場合は、手ブレ補正内蔵レンズに比べて不利になる場面もあります。特に暗所での手持ち撮影では、IBISの性能に依存することになります。
おすすめできない人
コストパフォーマンスを重視するフォトグラファーは、このレンズを選ぶべきではない。シグマの24-70mm F2.8 DG DN Artが、ほぼ同等の光学性能を半額以下で提供しているからだ。写りだけが目的なら、Leicaに追加料金を払う合理的な理由はほとんどない。また、結婚式やスポーツなど、暗くて動きの速い被写体を撮るプロも要注意だ。手ブレ補正がなく、AFも飛び抜けて速いわけではないこのレンズより、パナソニックのLUMIX S PRO 24-70mm F2.8や、明るい単焦点レンズを揃えた方が、歩留まりは確実に上がる。
さらに、ポートレートを主目的とするなら、このレンズのスコアは46.8と低い。f/2.8のボケでは物足りず、より大きなボケと空気感を求めるなら、LeicaのAPO-Summicron-SLシリーズの単焦点(35mmや75mmなど)に投資した方が、求める表現にずっと近づけるはずだ。
総評
風景や建築、スナップシューターで、解像感を最重視するなら、このレンズは最高の相棒になる。我々のデータが示す通り、光学性能はまさに現代の標準ズームの頂点だ。SL2の高画素機と組み合わせれば、そのポテンシャルを余すところなく引き出せる。また、マクロ性能が高いので、ちょっとしたクローズアップ撮影も楽しみたいという欲張りなフォトグラファーにも強くおすすめできる。
一方で、結婚式やイベントなど、暗所で動き回る被写体を撮るプロには、手ブレ補正の不在と平均的なAF速度が足を引っ張る可能性がある。SL2-Sの優れた高感度性能である程度カバーできるが、それでもパナソニックのS PROや、手ブレ補正付きの単焦点レンズを併用する方が安心だ。ポートレートのスコアが46.8と低いのも、ボケの大きさや質よりも、シャープネスと汎用性に振ったレンズであることを示している。